書くこと
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外で文章を書くメリット

kazuma(管理人)
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 もの書きのkazumaです。今回は、外で文章を書くことのメリットについて綴っていきたいと思います。

 僕がnoteで書いている「ポメラ日記 55日目」でも紹介したように、最近になって、外で文章を書く機会が増えました。

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 何かものを書く、というと大抵は自宅の机で執筆するのが大半だと思いますが、たまに外で書いてみると思わぬ発見があったりします。

 僕が外で書く機会を設けるようになったのは、いまは在宅でライターの仕事をしていて、ずっと家で作業し続けるとうまく気分転換が出来なかったり、集中しづらいなどのデメリットが見えてきたからです。

 そこで、週に一度か二度、喫茶店などで文章を書く時間を意識的に取るようにしました。

 実際に外で書く時間を作ると、書店などに立ち寄って本を買ったり、お店に着くまでに散歩ができるなど、おまけで付いてくるメリットが沢山あることに気がつきました。

外で文章を書く、5つのメリット

 「外で文章を書くメリット」をいくつか思いつくままに並べてみると、

外で文章を書く5つのメリット

・気分転換になる
・運動不足の解消
・自宅を離れて集中できる環境
・読書が捗る
・外で文章を書く適度な緊張感

 これらが主なメリットとして挙げられます。それでは、ひとつひとつのメリットについて詳しく見ていきましょう。

①気分転換になる

 もの書きといえば、自宅で文章を書くので、どうしても在宅で机の上に向かうことが多くなりがちという傾向があります。

 実際に僕もライティングの作業があったりするので、一日だいたい5~6時間くらいはノートPCの前に向かっています。

 作業中はとくに自宅の景色が変わることもなく、ずっとディスプレイを眺めることになるので、作業が終わったあとにうまくメリハリが付かないことが悩みでした。

 こうした問題を解決しようとしたときに、自宅にいるだけでは難しいと判断したので、ポメラと文庫本一冊、それからKindle(仕事で使う書評用の本が入っている)を持って、夕方から出かけるようにしてみました。

 喫茶店に向かうまでは、少し距離があって10分~20分くらいは歩きます。これまで通勤があったときは、その時間が軽い運動になっていました。ちょっと距離を歩くのは、通勤の代わり、という意識でやっています。 

 僕は週末の金曜日の夕方は、「喫茶店などで作業してよい日」として決めています。家に煮詰まっているときはそれに関係なく、突発的に出かけていったりします。

 家から出て執筆すると、外の空気が新鮮に感じますし、ディスプレイを見る時間を減らすことができます。

 おすすめは喫茶店のテラス席を使うことで、外の風に当たったり、街並みを眺めながら執筆できる、ちょっとした非日常を味わえます。

 季節のよいときには公園のベンチで日なたぼっこをしながら読書することも。

 外で作業しながら、強制的に場所を変えて気分転換をすることはけっこう有効なので、よかったら試してみてください。

②運動不足の解消

 二つ目のメリットは運動不足の解消です。

 プロの作家や漫画家の方は椅子にこだわったり、デスクをスタンディングデスクに変えたりするといいますが、自宅だけで運動不足を解消することは不可能です。

 ちょっと外を歩いてみるだけでも、有酸素運動になりますし、作品の執筆中であれば、歩いている間にアイデアが浮かぶようなこともあるでしょう。

 歩いて行ける範囲に書店や古本屋があれば、お気に入りの作家さんの本を手に入れる時間も作れます。作品の舞台を取材するつもりで風景写真を撮ったりすることもできますね。

 僕が出掛けていくのはこうした理由もあって、家だけで作業しているとどうしてもアイデアの幅というのは限られてくる気がします。

 とくに文章で何かを発信したり、表現したりするひとにとって、悩みの種になりがちなのが「ネタ探し」です。

 書けることがなくなってしまう状態を防ぐために、僕は街中を歩くことで書けるネタを探したりします。

 たとえば、前回の記事(「中村文則『列』を読む」)も、新刊の発売をいち早く書店の店頭で知ることができました。

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③自宅を離れた集中できる環境

 自宅で作業するときに無視できないデメリットがあって、それは住んでいる場所で作業すると、周囲の環境に左右されやすい、ということです。

 いくら自宅の環境を整備しても、思い通りにはならないことがあります。

 僕の場合で言うと、運わるく近所で住宅工事がはじまってしまったり、家族との折り合いが悪くなったりして、どうしても執筆に集中できないときがあります。

 トラブルが続けば精神的にも荒れやすくなるので、家で塞ぎ込めば塞ぎ込むほど、行き詰まった状況になることがあります。

 そういう「私」の問題、というのは、けっこうそのときの「場」に依存するものであるので、そんなときには一度、距離を取ってみることが有効であったりします。

 行き先は自分が落ち着ける場所であれば、どんなところでもかまいません。

 自宅と職場の他にもう一つの落ち着けるところ(昔は、『サードプレイス』と呼ばれていました)を見つけておくと、何かあったときの避難場所として使えることがあります。

 僕はそういうときのために、たとえばちょっと穴場の喫茶店や、人の少ない公園のベンチ、図書館の休憩室、コンビニのイートインなどを利用しています。

 こういう「三つ目の場所」を歩いて行ける範囲のなかに見つけておくと、気分転換がうまく行きます。

 ポイントは「歩いて行けるところ」で、あんまり遠すぎると利用する機会が減ってしまうので、気軽に出掛けていける「徒歩10分~20分」くらいのところで見つけておくとよいでしょう。

 お財布事情もあったりするかと思うので、なるべく「ワンコイン(500円)」くらいで入れる、雨風を凌げて、本を読んだり文章を書いたりできる場所があれば理想です。

 いまどきチェーン系列の喫茶店なら、「カフェラテ」のトールサイズの価格がだいたい500円前後なので、迷ったら僕は「カフェラテ」だけ注文して席に着きます。

 喫茶店も日によって混み具合が変わっていたりするので、1軒だけではなく、2軒か3軒くらい見つけておくと吉です。

 僕は周囲に人の目が多すぎたり、雑多な会話が聞こえるところでは集中できないので、店に訪れて「今日は合わないな」と感じたら別のスポットに移動します。

 そうして離れたところで一旦冷静になってから家に戻ると、思わぬ方面から片が付くことがあります。

④読書が捗る

 もの書きにとって意外な悩みとしては、読書時間をいかに確保するか、という問題があります。

 僕も通勤しながら仕事をしているときは、電車でスマホを見るのではなく、なるべく持ってきた文庫本を開いたりするようにしていました。

 しかし、そうやって確保できる時間はものの数十分というところで、少しずつ味わって本を読むことには適していますが、読み終わるまでにかなりの時間を要します。

 通勤電車で本を読んでいたときは一冊の本を読み終わるのに三ヶ月~半年も掛かったこともありました。

 とくにこの悩みは兼業作家さんの間で見られるもののようです。

 よくプロの作家さんが専業作家になったときのメリットとして、読書できる時間が確保できるようになった、とインタビューで仰っていることがあります。

 プロの作家さんでもこのように読書時間の確保には難渋しているので、こうした読書時間の確保のために、本を持って喫茶店に行くのはいいアイデアだと思います。

 僕はYouTubeで岡田斗司夫さんの番組を観るときがあって、「読書ができないときはワンコインと本だけ持って喫茶店に入っちゃえばいい」と仰っていたので、なるほどそういうもんか、と思って、実践しています。

 実際にやってみると、喫茶店に座ってできることと言えば、小型デバイスで文章を打つか、本を開いてコーヒーを飲むかぐらいしかできません。

 こういう「縛りのある自由」が読書や執筆を後押しするところはあります。

 単行本一冊くらいなら、喫茶店で二時間くらい粘って半分まで読んで、あとは家に帰ってちびちび読むと、案外スムーズに読めたりします。

 読書って入っていくところが大事なので、そこを喫茶店で済ませておくと、あとが楽になります。

 もちろん喫茶店に来て、本を開いても集中できないときもあります。

 そういうときはじっと椅子に座って、窓の向こうの街並みや人通りを眺めながらぼんやりするのをおすすめします。

 ときおりコーヒーをずずずと啜っているだけでも、気分転換になったりするので、集中できないと感じたときはあえて喫茶店で何もせず帰ってしまうのもいいですね。

⑤外で文章を書く適度な緊張感

 もの書きなんて普段からしてるよ、というひとでも外で文章を書く機会って、そんなに多くはないかもしれません。

 外で文章を書くとなると、プライベートな空間ではないので、執筆中にだれてしまうのを防ぐことができます。

 自宅にいるとどうしても緊張感が薄れやすいので、「書きたい気持ちはあるけれど、なぜか書けない」というときに、楽な方に流れてしまうことがあります。

 ありがちなのが、とりあえず「YouTube」を観てから、「Twitter(X)」を観てから、「スマホゲーム」をやってから……、ということが起こりやすかったりします。

 SNSやアプリなどは日常に侵食してきていて、手軽に楽しめる分、かなりの生活時間が奪われていることに気が付かないこともあるでしょう。

 現代のスマートフォン利用時間の一日平均は4時間にも達するといい、もしこれが丸々残っていれば、実はプロの作家とも互角の執筆時間を確保できます。

 参考までに、トルーマン・カポーティの一日の執筆時間は4時間です。おそらく最も少ないと思われるケースのW・B・イェイツでも2時間という結果が出ています。

 ※もの書きの執筆時間については、「作家の執筆時間について調べてみた件」で取り上げました。

「作家の執筆時間について調べてみた件」
「作家の執筆時間について調べてみた件」

 なので、現代において執筆が捗る究極の方法は、「スマートフォンの存在を生活から消し去ること」で、そのためには、ポメラと本とお財布だけを持って喫茶店に行くのがいいかもしれません。

 適度な緊張感もありますので、家の執筆に行き詰まったときは、とりあえず「ポメラ」と「本」と「kindle」の三種の神器を持って、お出かけしてみてください。

 kazuma

(了)

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