「中編第一作『川に向かって、言葉を吐いて』をnoteに公開しました」
新作小説『川に向かって、言葉を吐いて』のご案内
もの書きのkazumaです。今回は新作小説のご案内です。
制作中だった原稿が無事に脱稿しまして、note上で公開する運びになりました。タイトルは『川に向かって、言葉を吐いて』です。
noteの『ポメラ日記45日目』でもご紹介しておりますが、せっかくなので『もの書き暮らし』のブログでは、執筆を終えた心境や完成したときの裏話をちょっとだけ話しておこうかなと思います。
この中編小説『川に向かって、言葉を吐いて』は、約5万字、原稿用紙換算で143枚程度の作品で、制作を終えるまで丸一年が掛かりました。
この間、僕は在宅のライターに仕事を変えていて、会社のライティングの文章を書いたあとに、個人で請け負った案件や、ブログの執筆、ポメラ日記などを書いていました。
一日に様々な種類の文章を書くので、小説を書くような余力が残っていないときもありましたが、真夜中にひとりでちまちま書きながら、原稿を進めていきました。
プライベート以外ではとくにひとに会うこともなく、仕事も電話連絡とメール、週に1、2日ほどの会社での面談だけという生活で、浮世離れした日々を送っていました(たぶん、今後もこの傾向は続くと思います)。
ところで、僕の作業机の目の前は壁になっているのですが、ときどき執筆に行き詰まると壁の凹凸をなぞるように見ていたことがあります。
今回の作品『川に向かって、言葉を吐いて』では、『壁』というのが、ひとつのキーワードになっています。
周囲との隔たりを感じていた少女が、大人になってもなりきれず、流れていく川に向かって叫び続ける、そういう小説が書きたいなと思って、今回の作品ができました。
note創作大賞2023のミステリー小説、ファンタジー小説の2部門に応募
ちょうど作品発表のタイミングで、note創作大賞2023の募集が掛かっていて、せっかくなので応募してみました。
応募要項のなかに、冒頭にあらすじを300字程度、と書かれていましたので、note投稿後に追記したものをここに載せておきます。
中編小説『川に向かって、言葉を吐いて』のあらすじ
<あらすじ>
──あたしは何でも壁越しにものを見てしまう。再会を約束した青年・八十島純之介を追いかけて、弓張町へやってきた敷島蛍は、真夜中の橋の上に立っていた。アパートには新興宗教団体『はじまりの丘』からの脅迫状が届き、純之介の失踪は謎に包まれたまま、途方に暮れた蛍は、河原で叫び続ける。純之介、うわばみ、あるいは、この世界を造った神様に向かって。
『あたしに必要だったのは壁だったって、いまでも思っているわ。ノックをしても、叩いても、ものを投げつけても壊れない。この無表情で、凹凸だらけの、ちっとも答えを寄越さない、ただの壁がさ。この壁がいつもあたしの目の前にあるんだ。(本文より)』
・note創作大賞2023、ミステリー小説部門、応募作品『川に向かって、言葉を吐いて』
この小説はミステリーを主軸においたものではないのですが、いちおう探偵小説の要素も入っていたので、ミステリー小説部門に出しておきました。
新作の『川に向かって、言葉を吐いて』を楽しんで貰えれば幸いです。
短編小説『君は花束を忘れた』のあらすじ
また、過去作の『君は花束を忘れた』もnote創作大賞2023のファンタジー小説部門に応募しています。
こちらの作品は、これまでに僕がnoteで書いた作品のなかでは一番人気(?)の短編小説になっています。
短編第七作『君は花束を忘れた』のあらすじはこちらです。
<あらすじ>
八月の暑苦しい日に一番線のホームに立っていたはずのトム。気がつけば、奇妙な列車に揺られていて、行き先は一度も聞いたことがない停車駅ばかり。車内では旧友の小野真知子や、小林柄一と出会うが、この列車がどこへ向かっているかは、誰も教えてはくれない。切符には『経世鉄道 辺奈方面行 無限区間』と書かれてある。やがてトムは、この見知らぬ列車の先で、探していた人に出会う。
『あいつも、こいつも、そいつも、みんなそうだ。ここにいる連中はみんな、人間には行き先があるもんだと思っていやがる。そんなもんはどこにもないのだ。(本文より)』
・note創作大賞2023、ファンタジー小説部門、応募作品『君は花束を忘れた』
note創作大賞2023では、読者も『スキ』で作品を応援できます!
note創作大賞2023では、読者からの「スキ」も選考基準のひとつになっています。
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note創作大賞2023の開催に合わせて、これまでnoteで有料100円で販売してきた小説、『私たちはさよならと言った』も無料公開しました。
未読の方はこの機会にお立ち寄りくださいませ。
以上、新作小説『川に向かって、言葉を吐いて』のご案内でした。
2023/07/01
kazuma