「もの書き目線で見るポメラDM250、初日実機レビュー」
ポメラDM250、発売日当日にゲットできました!
こんにちは、kazumaです。実はつい先日、ポメラDM250を入手することができたので、ファーストインプレッションの記事を書いていこうと思います。
知らないよ、という方に簡単に説明しておくと、ポメラはキングジム社が発売しているデジタルメモデバイス(「ポケット・メモ・ライター」)のことです。
今回の記事で取り上げるDM250は現行の最新機種にあたります。
2022年7月29日(金)に発売開始となり、僕は運良く、発売日当日にこの機種を手に入れることができました。
とくにライターや作家といった、文章を書いてタイピングする人々(主に文筆業など)に支持されているデバイスで、プロの中にも愛用者がいると聞いています。
ハロー、ポメラDM250。ありがとう、ポメラDM200。#ポメラ #DM250 #DM200 pic.twitter.com/8gwyEOg1Pt
— kazumawords. (@kazumawords) July 29, 2022
(キングジム公式アカウントさんにも巡回&RTしていただきました。率直に嬉しいです! 素晴らしいポメラシリーズを開発してくださり、ありがとうございます。)
ポメラは僕を「もの書き」にしてくれたデバイス
僕も一介のアマチュアもの書きとして、ポメラシリーズに随分お世話になりました。ポメラがなかったら、書けなかった作品や記事が沢山あったと思います。
それくらい指に馴染んでいるので、これは単なるデバイスの域を超えて、もはや書くために必要な仕事道具、「文房具」と同じものだと認識しています。(※ポメラは「デジタル文具」というカテゴリーに属しています)
ポメラは簡単に言ってしまえば、現代のワープロです。インターネット検索やウェブを使用することはできません(それがいいのです)。
ポメラにできることは、まっさらな画面上に文章を打ち続けること。
見た目は小っちゃなミニマルサイズのノートPC(VAIO Type Pを思い起こす方もいるかもしれません)のようでいて、ただひたすら文章を打ち続ける、という用途に特化した、かなり硬派なタイピングマシンなのです。
現代のもの書きに必要なのはポメラだったんじゃないだろうか
現代のもの書きが文章を書くときに必要なものを考えたとき、実はポメラを一台買っておけば、必要十分なのではないかと思っています。
僕は小説を書くとき、ノートとペン、ポメラというのが基本的なスタイルです。DM200の購入から約五年以上に渡って、大学ノートに万年筆で書き、ポメラで文章をタイプするということをずっとやっています。
もの書きであれば、愛用のノートとペンは既にお持ちでしょうし、ノートPCに文章編集ソフト(エディタ。Wordや一太郎、Pagesなど)が入っているかと思います。
でも、ポメラのポジションはこれらのどこにも属さず、唯一無二の存在感を放っています。
ポメラを持つことのメリット、もの書き編
もの書きの目線で言うと、これほど起動が早くテキスト入力に集中できる機種は他にありません。
たとえ相手がMacbookでスリープ状態から一瞬で戻ることができるとしても、文章ソフトだけを常に表示し続けることはまずないでしょう。
必ず調べ物やメール通知、ネットサーフィンなど余計なことに気が逸らされてしまいます。
インターネット上にはユーザーを誘惑して時間を使わせるコンテンツが山のようにあります。でも、机の上にポメラを置いたら、あとは打つことしかできません。
書くことってそもそも、見かけよりもハードルが高い行為だと思っていて、たとえば僕がまったく本や文章を読むことなどに興味がない人間だとしたら、おそらくプライベートの時間を使って書き続けることなど、到底できなかっただろうと思うのです。
なぜって書くことには根気が要るからです。
もの書きは延々と机の前にひとりで座り続けて文章を考えます。次の文章が思い付かないから、と言ったって誰も助けてはくれません。
実際に手を動かして、ようやく頭の中にあった言葉の連なりが形になってきます。それらはほんとうに地味で、孤独な作業の連続です。
書くものが小説や詩といった文学作品であれ、ライティングやブログ記事の実用文であれ、日記や雑記のようなものであれ、およそ書くというすべての行為は、何らかのモチベーションがなければ、続けていくのは難しいでしょう。
どんな文章も完成させなければ、読まれることはありえません。完成させるには、日々地道に書き続けていくほかなく、ポメラはその書くという行為のハードルを確実に下げてくれるデバイスです。
もし三つだけ創作に使えるものを選ぶとしたら、僕はノートと万年筆、ポメラを選ぶ
純粋に文章を書くことだけを考えるのなら、思いついたものを書き付けられる道具さえあればいいんです。
もし三つだけ創作に使えるものを選んで書け、といわれたら、僕は迷わずノートと万年筆に加え、このポメラを選ぶでしょう。
これ一台で、目の前が書斎になります。
どこにでも持ち運ぶことができて、気軽に文章を打てる、余計なことは考えなくていい。ただ目の前の文章のことだけを考えていればいい。
そんな潔い執筆デバイスを、僕はポメラをおいて他に知りません。
さて、前置きが長くなりましたが、ここから新機種のDM250の使用感をもの書き目線でレビューしてみます。
ちなみにここまでの文章はすべてポメラDM250で打ちました。一時間ほど、この機種を触ってタイピングし続けています。
僕はポメラDM200の愛用者(約五年以上使用しているユーザー)ですので、前機種と比較しつつ、見てみることにします。
最新機種、ポメラDM250の初日実機レビュー
(記事執筆のイメージはこんな感じです。ポメラDM250、初日から大活躍でした。)
①ポメラDM250の打鍵感・キーボードの静音性
はじめてタイピングをして、すぐに気が付いたのはキーボードの打鍵感の違いでした。以前のDM200のタイピング時と比べて、キーストロークが深く感じられます。
あくまでも僕の主観ですが、DM200のときはキーを「叩く」という感じで文章をタイプしていましたが、こちらはキーを「押し込む」ような、押下するときの沈み込みが感じられます。このことによって以前のモデルなら起きていたミスタッチが減ったと実感しています。
キートップにはざらつきのある加工が施されていて、キーそのものの感触が変わりました。
タイピング音がより静音になったので、これなら公共施設などで使用を控えることはほとんどなさそうです。
僕はキーを強く叩く癖があるので、キーボードが静音化されたことで、外出時の使用シーンが増えるだろうと思います。
大学の講義中のメモや移動先での文書の記録にもよいかもしれません。
ノートPCの持ち込みが可能な場所であれば、どこでも使用できるレベルです。
静かなカフェであっても無音でなければ使えそうですね。実感ではタイピング音は半分以下に抑えられている感じがします。
②タイピングした文章の文字数とバッテリー残量の常時表示
いや、一番うれしかった機能のひとつはもしかしたらこれかもしれません。文章を書くときにどれだけ書いたか、というのが一目で確認できるのは(精神衛生上)よいです。
僕の場合は小説やブログ記事などでのポメラの使用が主なので、今回はどのくらい書けたのか、分量や進捗を感覚的に把握するのに字数表示を使います。
小説は芸術の分野なので、何文字書いたからいい、とか、文字数は多ければ多いほどいい、とか、そういうことはまったくないのですが、モチベーションを維持する上で、ここまで書けたということを実感するひとつの目安だと思って見ています。
公募勢の方は、作品の「原稿用紙換算枚数」が公募に出す条件に設けられているので、文字数で大体の当たりをつけられるようになるのではないでしょうか。
ポメラには原稿用紙設定が標準で搭載されている(「ツール」→「スタイル」→「原稿用紙縦書き」)ので、画面下中央のフレーム数を見れば、文字数だけでなく原稿用紙換算枚数も一発で表示されます。この辺りも、もの書きには嬉しいポイントですね。
バッテリーの残数表示がパーセンテージで表されているのも見逃せません。
DM200ではテキスト入力中に「バッテリーを充電してください」という表示が出ることが、わりと頻繁にありました。
いい意味で気づかずに使用し続けてしまうということです。バッテリーが減りすぎる前に気がつく仕様になったのは嬉しい変化です。
元々、ポメラはバッテリーの持ちがよい機種として知られていますが(DM200で18時間)、DM250では「24時間」とさらにバッテリーが持つようになりました。
満充電すれば、まさに一日中どこでも文章が打てる、という最強の執筆マシンとなるので、これほど心強い相棒はないでしょう。充電周りもType-Cに対応し、インジケーターの照明で充電を視認できるようになってます。
③ポメラの取扱ファイルサイズの拡大と、「ポメラリンク」アプリによるテキストデータの共有(「アプリ接続」)
主に小説用途でネックになっていたのは長編書きのユーザーだと思います。以前のDM200では、1ファイルに書き込めるデータの限界が10万字でしたが、DM250からは20万字と2倍に増えています。
一般的な単行本一冊の文字数が概ね10万字~14万字程度ですので、分量的にはポメラDM250で対応可能です。(※一部のミステリーやSF・歴史ファンタジーなどを除く。たぶんメフィスト賞くらいじゃないかな)
ポメラを小説用途で使っていて感じるのは、短編の作品に向いているんじゃないかと思います。
ポメラの唯一の弱点ともいえるのは一覧性なので、文章をごりごり書き進めているときにはいいですが、最後に文章を編集する、全体の流れを見て修正を掛ける段階では、全体を見通せるエディタに軍配が上がります。
2万〜5万字前後くらいまでなら、ポメラ単体で修正まで完結させたとしても、そこまで不都合を感じることはないんじゃないかな、と思います。
この辺は個人差があるので、実際に使って確かめてみてください。
最後にテキストデータのファイル共有についてです。
今回から「ポメラリンク」のアプリが刷新され、スマートフォンなどとのテキストファイルの共有が容易になりました。いわゆる「アプリ接続」なんですが、これがちょっと感動するほどの出来映えです。
iOSやandroidスマートフォンでアプリをダウンロードし、内蔵Wi-Fiと接続を行うことで、書いた文章を簡単にスマートフォン上に取り込むことができます。
ファイルの共有機能もアプリに搭載されており、僕はApple端末を利用しているので「Ulysees」などのデバイス間テキスト共有アプリに直接送り込むことができました。
これにより、ポメラで書いた文章をどこでも、どのデバイスでもすぐに読み込んで、編集できるようになりました。
これは一度使ってみると反則級の便利さなので、買い換えの際に参考にしてみてください。むしろこれが一番の進化だったのでは……。(ポメラDM250×ポメラリンク「アプリ接続」×iOS・Macアプリ「Ulysees」のコンボは捗り過ぎた)
まとめ・編集後記 ポメラ好きなら、ポメラDM250はどう見ても「買い」!
以上がポメラDM250の初日実機レビューとなります。感想としてはポメラで文章を打つのがさらに楽しくなった! の一言に尽きます。
実際にこの記事をポメラで打っていてご飯を食べるのも忘れるくらい、滑らかなタイピング体験でした。
レビュー記事を書くのも興が乗ってしまい、三時間以上ぶっ続けで書けてしまいました。気がつけば4000字超のがっつり記事です。
ポメラシリーズを経てきた方にとっては、このよさは絶対に感じられるかと思いますし、百桁台のスタンダードな機種なので初めての一台としても◎です。
定価は6万円台と決して安い買い物ではありませんが、僕は買ったことを一切後悔していません。DM250はこれから5年、6年と使っていくことになるかと思いますので、1年あたり1万円でこの機種が使えると考えるなら、僕は出してもいいと思います。
それではよきポメラライフを!
kazuma