大人になっても創作を続けたい人のための副業3選
大人になっても小説や詩を書き続けて暮らしたい、と考えることはありませんか? そんなときに必要になるのが、生活のための資金です。
才能ある一握りの作家は若い頃にデビューして、原稿の収入だけで暮らしていけるのかもしれませんが、多くの書き手は別の収入源を持ちながら、創作や趣味の文筆活動を続けていくことになります。
そんなときの選択肢として考えてみて欲しいのが副業です。今回は、もの書きにおすすめの副業を3つ、ご紹介していきます。
もの書きにおすすめする副業3選
もの書きの方へおすすめしたい副業は3つあって、
・ライター
・古本屋(ネット、無店舗)
・ブロガー
になります。
もの書きが趣味、という方は普段から何かしらの文章を書かれているかと思います。この3つはどれも「文章を書くこと」が強みになる副業で、僕自身も経験してきました。
もしかすると公募などでいまいち結果がふるわなかった、という方も、Webライティングという違う分野であれば、思わぬところから芽が出るかもしれません。
それでは順番に見ていきましょう。
①ライター
文章を書くのが好き、という方にまずお勧めしたいのがライターです。
とくに肩書きやWebでの経験がなくてもはじめやすいのがライターで、ランサーズやクラウドワークス、ココナラといったクラウドソーシングサイトからライティングの仕事を受注できます。
ライターはとくに、長い文章を書くのが苦ではない、というひとに向いています。
小説やエッセイなどを書いていて、「文章が説明口調だ」と言われたことはありますか?
ライティングで書く文章は、小説を書くときの文章とは異なっていて、相手にとって分かりやすい文章が書けるかどうかが重視されます。
そのため、公募では落選続きだった、というひとであっても、実はライターには適性がある場合があります。
きちんと「読み書き」ができるスキルは、Webライティングでは貴重
ライターは実用文が書ければ問題ありませんし、小説などの芸術の分野では否定される「説明による描写」も、ライティングであれば却って長所にもなりえます。
また、文章を書くことに興味があるという方は、そうでない方に比べて、「書くこと」「読むこと」に慣れ親しんでいる強みがあります。
読書をする習慣を持っているひとは、人口の約5パーセントとも言われ、「読み書き」は誰もができるように見えて、実際には皆がみな、一様に持っているスキルではありません。
社会的な活動に不安を抱えていたり、メンタル面で不調を患っていても、自宅で取り組むことができ、対人のコミュニケーションは最小限で済みます。
ライティングの仕事をするのは初めてという方でも、簡単なタスク案件という400字から1500字程度の短文の募集があったりするので、小さなところから実績を積んでいくことができます。
僕自身もライターは未経験だったのですが、クラウドソーシングに挑戦したあとに、ライターのアルバイトをはじめ、ちょこちょこと受注することができるようになっています。
ライターだけで食べていくというのは、なかなか難しいことですが、最初はお小遣い稼ぎのつもりではじめてみると、いい経験になるかもしれません。
創作を続けてきたことは、ライターにとってのアドバンテージになる
公募の予選に通ったことのある方は、参考程度ではありますが、ライターの実績として使うことができ、文芸関係の記事を受注しやすくなるでしょう。
プロフィール欄に、どのような分野の記事を得意としているのか記しておくと、意外と企業の方が見ていて、思ったより早く依頼が来るケースもあります。
しっかりとしたライティングができると、Web関係では重宝されるので、本業にプラスアルファの収入を見込めます。
小説を何度書き続けても駄目だったよ、というひとも、ライティングの世界に飛び込んでみると、実用文なら他のひとよりも書けているケースは十分にあります。
たとえば、小説を書くときに伏線を張ったり、時系列順に書いたり、起承転結を作ったりと、そういう小説上の技巧というのは、ライティングにも応用が利くものです。
クラウドソーシングからライターをはじめるひとは、前職はまったく違う業種に就いていて、以前の職種などの専門分野は持っているけれど、ライティングに関しては素人だったりします。
五年も十年も創作を続けてきたひとは、その時点でライティングの基礎が整っているでしょう。
スタートラインが他の人よりも前に来ているので、あとは専門性や興味のあるジャンルを見つければ、アドバンテージのあるライターになれます。
また後述するブロガーとも親和性があるので、地道に小説を書いてきたけれど、もう手詰まりだと感じているひとほど、挑戦してみてほしい副業です。
以下に、主なクラウドソーシングのサイトをまとめてみました。どれか一つでもいいので、ライターとしての登録を済ませておくと、副業への足がかりになります。
ランサーズ(Lancers)
ランサーズの特徴は、初心者でもわかりやすいサイト設計になっていて、クラウドソーシングがはじめての人にもサポートが手厚いことです。
案件の検索時に「優良価格」や「適正価格」にチェックを入れることで、優良な案件を見つけやすいのもポイント。
ランサーズにはランク制度があり、「レギュラー」「ブロンズ」「シルバー」「認定ランサー」と、案件をこなしたり、プロフィール欄を充実させたりしながら、自然とライターとしてレベルアップしていける制度が整っています。
ランクが上がるほど、他のランサーよりも仕事を受注しやすくなるメリットも。
仕事の受注から、クライアントとのやりとり、報酬の振込まですべて「ランサーズ」のサイトのみで行えます。
クラウドワークスに比べ、案件数は少なめですが、使いやすさで言えばダントツです。
クラウドワークス(CloudWorks)
クラウドワークスの特徴は、業界最多の案件数を誇っていることです。ランサーズでやってみたい案件が見つからなかった場合は、クラウドワークスで見つかるかもしれません。
最大手ということもあり、ライティングの案件も多数出揃っていて、初心者の方でも応募しやすい案件が見つけやすいのがポイント。
ただし文字単価が0.1円など、質の低い案件もあったりするので、なるべく受注したい案件を見極めて応募するようにしてみましょう。
ランサーズとクラウドワークスのどちらがよいのか? という質問がよくネットに上がっています。
イメージとしては、案件数は少なめですが、優良な案件を見つけやすいのがランサーズ。単価がやや低くてもライティングの案件を見つけやすいのがクラウドワークスです。
ライターの副業(クラウドソーシング)を続けるのであれば、いずれどちらにも登録することになるかと思います。
実際に二つとも登録して使ってみて、肌感覚に合う、使いやすいクラウドソーシングサイトを選ぶことをおすすめします。
ランサーズかクラウドワークスのどちらかで集中的に仕事を受けて、慣れてきた頃にもう一方のサイトを使いはじめるのがベストかなと思います。
ココナラ(coconala)
ココナラは、上記のクラウドソーシングサービスとは違って、自分で仕事内容を決めて、お客さんに購入してもらうというシステムです。
たとえば「ご指定の文学作品の解説を3000円で行います」「あなたの書いた小説に丁寧な感想を送ります。1作品ごと1000円」など、自分が得意なことであれば何でも売ることができます。
「ランサーズ」や「クラウドワークス」にはないスタイルで仕事が受注できるので、興味があれば登録しておくとよいでしょう。
固定客やファンが付けば、継続的に収入を得られるチャンスもあります。
ライターのはじめ方が分からない、誰かに教えて貰いたい、という場合にはライター講座を行なっているスクールもありますのでよかったら検討してみてください。
②古本屋(ネット、無店舗)
次におすすめするのが、ネットの古本屋を開店することです。
ものを書くことが好きなひとは、大抵の場合は本好きで、自宅にたくさんの蔵書を持っていたりします。
学生の頃から新刊書店やブックオフに通い詰め、地元の古本屋や古本市に足繁く通った方もいるでしょう。
古本屋にとって、本は言うなれば資産でもあるので、本好きの方は知らず知らずのうちに本を貯蓄していたと考えることもできます。
本をコレクションするのが好きで、絶版の希少本に手を出すようになった方もいるのではないでしょうか。
本を買うことそのものが好きという方は、一般の売値の知識もある程度は付いていることになります(古本屋の実際の相場とは異なります)。
加えて自宅の本棚に何百冊と本が眠っていれば、もう既に古本屋として立派な在庫を持っていると言えるでしょう。
いまどきネットの古本屋であれば、開業まで手間が掛かるということはありません。
ネットショップを簡単に作れるECサービスを利用する
ECサイトという、ネットショップを作るサービスは十分に整っていて、あとは開業の意思さえあれば、自前のネットショップそのものは一週間足らずで作ることができます。
本格的に営業するつもりであれば、ショップページの細かいカスタマイズと在庫登録、古物商の許可申請と合わせて、だいたい3ヶ月~半年ぐらいの準備ではじめられます。
既に自宅にあるもののみを売り払うのであれば、古物商(許可申請)は必要ありません。
ただし、買い取りや利益目的での販売(せどりなどを含む)を継続的に続けるのであれば、古物商の届け出を行う必要があります。
まずはお試しでショップサイトを作ってみて、ネットショップの流れを体験しつつ、本格的に打ち込んでいくようであれば、古物商の許可を取ってはじめるのがいいでしょう。
僕自身、Amazonに出店しているネット古書店のバックヤードで3年半ほど勤めたあとに、BASEで自前のネットショップ「一馬書房」を開店しました。
ネットでの開店であれば、本を商品として説明するときに文章を書いたり、お客さんとのメールのやり取りなど、文章を書くスキルが役立つシーンが必ずあります。
また自前で作った同人誌や、自作の本などを販売できるルートにもなるので、創作関係のひとにはなおさら、ネットショップの開店をおすすめします。
ネットショップを開業するときにおすすめしたいECサービスが「BASE(ベイス)」です。
BASE(ベイス)
僕自身も「一馬書房」の開店時に使ったサービスで、商品が売れるまで手数料が掛かりませんし、ネットショップの開設は無料で行えます。
ショップの開設から商品の登録、気軽に試せるデザインなど、これからネットショップをはじめる方にはうってつけのECサービスです。
Amazonなどでの出品に比べ、小規模からでも販売しやすく、自前のネットショップとしてカスタマイズも可能です。
納品書の出力や、商品が購入されたときの入金・振込の手続き、お客さんへの発送連絡まで「BASE」のみで行えます。
趣味や専門分野を持っている方はBASEが新しい販路になる可能性もあります。
たとえば、自前で焙煎したコーヒー豆の販売や、クラフトレザーで作った文庫本カバーを売る、など。
自分で作って、売ってみたいものがある場合にもBASEのネットショップが役立ちます。
③ブロガー
最後に副業としておすすめするのがブロガーです。
ライターとは違って、とくに〆切もなくマイペースに記事を更新していけるのがポイントで、書けば書くほど、記事がストック型の資産になっていきます。
トピックやテーマも自分で自由に選ぶことができますし、ブログのデザインなどもこだわって作ることができます。
サイトから収益を得ようとする場合は、WordPressのブログ開設が一般的です。
この「もの書き暮らし」のサイトも、WordPressで作っていて、もの書きにまつわる文芸の話題を扱いつつ、文房具やガジェットなど、執筆に役立つアイテムをご紹介しています。
ブログはこつこつやる性格の人がとくに向いていて、Webライターとも相性がいいので、僕は「在宅ライター兼文学ブロガー」として活動しています。
ブログをやる上で必要なSEOなどの知識もWebライティングで学べるので相乗効果があります。
ライティングやブログの記事制作のあとで、残った時間を小説などの執筆や読書に充てる、というイメージです。
収入を得る方法と創作は、分けて考える
実際にこのスタイルで生活するようになって変わったのは、公募に対する意識です。
作家志望だった頃は、「何が何でも公募に通過しなくてはならない、作家になれないのなら意味はない」と極端な考え方をしていましたが、いまはもう少し距離を置いて見るようになっています。
べつに才能なんてあってもなくても、書きたければ書き続ければいい。プロになるかどうかということと、創作を続けるかどうかの判断を同じにする必要はないということです。
創作の収入だけで暮らしていく、というのは限りなく狭い門ですが、収入を得る手段と創作をきっちり分けてしまえば、在野でも小説は書き続けられます。
ブログが少しでも書くための足しになるのであれば、挑戦してみてもいい分野ではないかなと思います。
エックスサーバー(Xserver)
WordPressでブログをはじめるときに必要になるのがレンタルサーバーと独自ドメインです。
12ヶ月の契約の場合、月額1100円でレンタルサーバーを利用できます。期間によってはドメインの無料サービスも一緒に付いてきますので、迷ったらエックスサーバーを契約すれば問題ありません。
レンタルサーバーとしての機能は非常に高性能で、WordPressのブログ運営もストレスなく行えます。
本来であればサーバーだけでなく、ドメインも月額更新料が掛かるものです。
エックスサーバーでの契約であれば、12ヶ月以上の契約と自動更新設定を有効化することで「独自ドメイン永久無料特典」が付いてきます。(2023年11月現在の情報)
サーバーとドメインをセットで揃えておくと、管理をするときに一元化することができて何かと便利です。
WordPressのブログをはじめるときにはエックスサーバーを第一候補として検討してみるとよいでしょう。
月額のサーバー代は、ブログの更新を続けていれば、いずれアフィリエイトなどの広告収入から賄えるようになっていきます。
まとめ 大人になっても創作を続けるために
僕はどんな文章であれ、書くことで誰かの役に立つことができればいいなと思って、ライティングやブログ、小説の執筆を続けています。
小説は読まない、というひとも、ブログなら読みにきてくれるかもしれません。
ブログは役に立たないというひとも、ライティングの文章なら役に立った、というひとがいるかもしれません。
それがどんな文章であれ、誰かに届く言葉が書けるなら、そのひとは「もの書き」だと僕は思っています。
(了)
2023/11/25 13:59
kazuma