「ポメラで小説を書きたい、と思ったときに読む記事」
ポメラDM200六周年の記念記事、ポメラで小説を書いてみたい人へ
こんにちは、もの書きのkazumaです。
実は昨日、ポメラDM200が発売されてから6周年を迎えたそうです(おめでとうございます&月日が経つのは早いですね)。
TwitterのTLを見ていたら、ポメラ界隈が盛り上がっていました。ポメラに関する企画をやっている方もいらっしゃったようなので、僕も何か記念の記事を書けないかなと思いまして。
そういえば最近、ブログのアクセス解析を見ていたときに「ポメラ 小説」で検索している方が多くいることに気が付きました。
もしかしたら、ポメラで小説を書きたいポメラユーザーの方もおられるのかなと思いまして、今回、ポメラDM200六周年の記念記事としてポメラで書く小説の書き方をご紹介していこうと思います。
今回の記事は小説の内容をどのように書くかということではなく、あくまでもポメラを使った小説の書き方の流れを一緒に見ていくという形にしたいと思います。
ポメラで小説を書いてみたい、というひとは参考にしてみてください。
どうやってポメラで小説を書いていくか? ポメラで原稿を書き上げるまでの流れ
ポメラで小説を書きたいという方が、最初に考えるのはどうやって書いていくか、ということですよね。
頭のなかに最初から物語があって、それを書き留めていくだけ、というひとは滅多にいません。小説は詩や短歌などと違って、形式的に一定の長さが要求されます。
ただひとつのアイデアや、ひらめいたその景色だけを切り取って書くようなことは小説ではちょっと難しいんです。
物語には連続性があるので、シーンAのあとにBがあってCがあって……と続いていきます。その場そのときの思いつきだけで書き切れるものではないでしょう。
物語の書き手の多くはプロットを用意します。これは大まかなストーリーの筋書きを記したもので、物語を想像するときの手助けになります。
小説専用のノートを一冊用意するか、ポメラに専用フォルダを作ってみる
以前、プロットについてのアンケートを取ったときに頭の中にプロットがあってそれで書いているというひとがいて、僕はちょっと驚いたのですが、そういうタイプの書き手でなければ、素直にノートを一冊用意することをおすすめします。
(僕が執筆に実際に使っていたノートです。『ツバメノート』というもので、又吉直樹さんも使用していたと聞きました)
これは小説専用のノートとして使い、アイデアや人物の設定、世界観や物語のねらいなどを書き込みます。芸人さんにとってのネタ帳のようなものですね。
ポメラのみで行いたい方は小説ごとのフォルダを作って、打ち込んでおくといいでしょう。
※僕の場合は、一覧性に優れているのは電子フォルダよりも紙のノートだと考えていて、手書きの方が思いつきやすいのでアナログ式でやっています。
この辺は完全に書き手の好みなので、ポメラ単体で完結させたい方は直打ちのみでもいいんじゃないかなと思います(ポメラだけで完結させたらスマートですし)。
こうした下準備は、小説を書く際に羅針盤となるもので、書いているシーンをうまく想像できないときは、大抵の場合がこの下準備に問題があることが多いです。物語が頭のなかに立ち上がってくるまでは時間を掛けて粘りましょう。
冒頭はその先のシーンまで書いていけそうなものを選ぶ
物語の設定やプロットなどの下準備が済んだら、実際に書きはじめてみましょう。僕はまず手書きで冒頭を書きます。もちろんポメラですぐにタイピングをはじめていただいてもかまいません。
小説の冒頭というのは、非常に重要なシーンです。ある意味、最初の書き出し次第でその物語の結末まで決まってしまうといっても過言ではありません。
僕は冒頭は何パターンか作るようにしています。なるべく言葉が止まらずに自然と続いていくような冒頭に出会うまでやります。
1回でそのまま進んでいけることもあるし、2回、3回と冒頭を書いてみてようやく書きはじめるということはざらです。
他のパターンの冒頭が捨てがたいのであれば、それは次回作のネタにしておきましょう。一度作ったものは無駄になりません。
なので用意していたものと違うものになりそうでも恐れずに書いてしまった方がいいです。
厳密にプロットに従って書きたいというのなら、用意していたものに合わせればいいと思いますが、プロットというのはあくまでも物語の枠組みに過ぎないので、多少遊びがあった方が面白いものができるというのが僕の考えです。
細かい設定のずれなどは最終段階で、ネジを締めるみたいに修正すればいいだけなので、最初はこう書いてみたいという気持ちに従った方がのびのびと書くことができると思います。
その先のシーンを書き続けられそうな冒頭を作ることができたら、ポメラでタイピングしながら清書します。
この時、手書きで書いた文章をデジタルに移し替えているわけですが、文章のなかで流れのおかしいものがあれば、タイプしながらより自然な表現に変えています。
僕の場合は手書きで第一稿を書いているのですが、ポメラで移し替えるときに修正を掛けているので、ある意味、出来上がる文章は二稿に近いものになります。
手書きの原稿はあくまでもたたき台で、ポメラでタイピングしながら清書し、形を整えていくイメージです。
あとは冒頭のシーンから続けて、プロットに沿ったり、沿わなかったりしながら各シーンを書いていきます。
どうしてもシーンが思い浮かばないときは、思いつくまでネタ帳に戻って進行のプロットを組み直したり、設定に追加の情報を入れたりします。
プロットから脱線したら、脱線用のコースを新たに作ってあげよう
最初から用意した持ち駒だけで行けるなら一番いいですが、大抵は脱線が始まりますので、脱線したら物語に新しいコースを用意してあげなくてはなりません。
でも、本当に面白くなるのは脱線したところからだと思うんですよね。
それまではあくまでも机上の、事前に頭の中で組み立てた世界の表現だったのに、いつの間にか作者の掌の上から離れていく。
そのときに物語が自立しはじめるというか、面白い表現はそこから生まれるものなんじゃないかなと。
なのでプロットから自然と外れはじめたら、それはチャンスだと思ってください。目の前のシーンをひとつひとつ書いていったら、いつか筆を置くところを見つけられます。
第一稿が完成したらぱーっと打ち上げ、非日常から日常へと戻る儀式
何とか物語が『了』までたどり着いたら、無事終了です。おつかれさまでした。
第一稿ができたら、ぱーっと打ち上げでもやってください。
いや、これ冗談じゃないんです、半分本気で言ってます。
書き上げたあとっていうのは、とにかく物語にどっぷり浸かったあとなので、ここで非日常をしっかりやっておかないと日常生活に戻りづらくなります。
僕はもの書きを十年やってますが、これはわりと本気のアドバイスです。
Twitterで第一稿ができたぞーって叫んでいいですし、noteで小説を書いてみたことをインタビューでも受けてるつもりで書いちゃうのもおすすめです。
執筆期間中に我慢していたことはこの際、何でもやっちゃいましょう。
僕は小っちゃなお祝い感を楽しみつつ、この期間で原稿の発表先をどこにするか考えるのが好きです。
それから数日経って、改めて冷静な目線に戻ってから修正を掛けていきます。
おすすめの文章の直し方は、一回印刷してみることですね。なぜだか分かりませんが、ポメラの画面で見ていたときには気が付かなかったミスに印刷すると気づくということがあります。
物語の手直しの方法①原稿を印刷してみる
どんなに慎重なひとであっても、第一稿が完全稿ということはあり得ません。公募勢のひとは知っているかと思いますが、デジタルから紙に印刷した途端に直すところばかりで参ってしまった、ということはありませんか。僕はしょっちゅうあります。
横書きにしていたひとは縦書きにして、A4用紙などで印刷してみてください。
現代のもの書きにプリンターは必須アイテムです。ポメラの愛用者で芥川賞作家として知られる羽田圭介さんも、原稿を印刷して修正箇所を見つけておられるそうです(以前にモバイルプリンタを購入されたというツイートが流れてきました)。
余談ですが、格安のモノクロレーザープリンタを互換インクで回すのがおすすめですね。ランニングコストが安く済みます。
物語の手直しの方法②声に出して原稿を読み上げる
もうひとつの直し方としておすすめなのが、声に出して読むことです。恥ずかしいという方は自室で小声でもいいので作品を読み上げてみましょう。
読んでいて文章がつっかえたら、そこは必ず直した方がいい箇所です。終わりまで淀みなく読めるようになったらOKです。
面倒ですが、この修正方法はかなり効くのでおすすめです。
物語の手直しの方法③テキストエディタの校正機能を使う
最後に裏技としてテキストエディタの校正機能を使う方法があります。
あまりおすすめはしませんが、絶対に外したくない原稿があれば、使ってみるのも一つの手です。人間では気が付かなかったミスに気づく場合があります。
アマチュアのもの書きに編集は付かないので、代わりに機械にやってもらうという考えです。僕は公募に出すときにはこの方法も使っていました。
校正機能を使うことで誤った箇所をリストアップし、直したい表現だけを直すといいと思います。
機械に言われたからと言って表現を変えるというよりは、指摘されて書き手が納得したミスだけを直すようにしましょう。
最後は原稿を送り出してあげましょう。
修正が完了すれば、あとはポメラのアップロード機能を使って、好きな投稿サイトや公募に出して原稿を送り出してあげましょう。
TwitterなどのSNSやブログで原稿を書きましたよーということを報告すると吉です。読者が原稿へいつでもアクセスできるリンクも用意しておきましょう。
もしかしたらまだ見ぬ誰かが読んでくれるかもしれません。感想や意見などのフィードバックを貰えたら次回作に活かしてみましょう。
まとめ ポメラで小説を書くときの手順
僕が小説を書くときの手順をまとめると、
①専用の小説ノートを1冊用意、もしくはポメラに専用フォルダを作ります。今回の小説で使うネタや世界観、設定、プロットなどをすべて放り込みます。
②下準備が済んで、冒頭を書く準備ができたら実際に書きはじめます。冒頭を作っていく中で、これだったらこの先も書いて行けそうだというものを選びます。
③冒頭のシーンから1シーンずつ書いていって終わりまで持って行きます。
④第一稿が完成したら打ち上げをし、数日間、自分が冷静になるまで原稿を寝かせます。
⑤原稿をプリンタで印刷したり、読み上げたり、校正機能を使うなどして修正を掛けます。
⑥書いた原稿の投稿先を決め、noteなどの投稿サイトにアップロードしたり、公募に投稿します。
⑦ネット上で作品を書いたことをSNSやブログなどで報告、いつでも読んで貰えるようにリンクなどを準備しておくと吉です。
僕もまだまだ修行中の身なので一緒に書いていきましょう。
『kazumawords.com』ではもの書きに役立つ情報を随時更新していきますので、よろしければまたいつでも読みに来てください。
ではまた。
2022/10/22 20:06
kazuma