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「もの書きがPARKERの万年筆について語ってみた」

kazuma(管理人)
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PARKERの万年筆について語ろう

こんにちは、もの書きのkazumaです。

皆さんはものを書くときにどんな道具を使っていますか? 僕はアナログの手書き派で、小説を執筆するときは大学ノートに万年筆、というスタイルでものを書いています。

最近、Twitterで使っている執筆用品についての質問を受けたので、今回は僕が一番長く使っているPARKER(パーカー)の万年筆について語ってみようかなと思います。執筆用品をお探しの方はよかったら参考にしてみてください。

僕にとって執筆の三種の神器と言えるのは、PARKERの万年筆、満寿屋のMONOKAKIノート、ポメラDM250です。この三つを小説や詩を作るときに使います。

なぜPARKERの万年筆を選んだのか?──好きな作家が使っていたから

なぜPARKER製の万年筆を使っているかというと、単純に憧れからでした。僕が読書らしい読書をはじめたのは小学校の4年生くらいの頃で、父に市営の図書館に連れて行ってもらったことがきっかけです。

その図書館には子ども用文学(いまでいうところのYA文学)コーナーがあって、岩崎書店のシャーロック・ホームズシリーズの単行本がずらりと並んでいました。これが、僕にとってはじめて夢中になった小説で、小学校を卒業する頃には刊行されていたシリーズをほとんど読み終えてしまいました。

僕が文学や小説の世界に足を踏み入れるきっかけを作ったのはアーサー・コナン・ドイルで、そのドイルが執筆に使っていたのが、PARKER製の万年筆です。ドイルは「デュオフォールド」という最上位のモデルを使用していました。

日本の作家の間でもPARKERの万年筆やインクはけっこう人気だったらしく、三島由紀夫が「パーカー51」のモデルを持っていたり、安部公房が「パーカー75(スターリングシルバー)」を使っていたそうです。海外の作家だとヘミングウェイかな。

万年筆を使ってみたいけどメーカーやブランドが決められないよ、という方は、好きな作家が使っていた執筆用品を調べてみると発見があるかもしれません。

憧れの作家にあやかって文章を書いたりするのは楽しいですよ。手書きする作家にとってペンは仕事道具そのものです。

執筆にメインで使う万年筆は『Sonnet(ソネット)』

僕がいま使っているのは、PARKERの『Sonnet(ソネット)』というモデルになります。「Sonnet」はPARKERの中堅モデルで店頭価格は3万6千円前後(プレミアムモデルを除く)です。

PARKERは初心者用のエントリーモデルからハイエンドまで、それぞれのモデル名が着いているのが特徴です。

・Jotter(ジョッター)
・IM(アイエム)
・Sonnet(ソネット)
・Duofold(デュオフォールド)

という順に、モデルごとによってペンに使われている素材や形状が上質なものになっていきます。これ以外にも、シーズンによっては新しく販売されるモデルも存在し、たとえば2023年のラインナップには「パーカー51」のモデルが復刻されています。

『Sonnet(ソネット)』は万年筆としてのオーソドックスな機能をすべて備えている製品で、ペン先に18金を選ぶことで、書けば書くほど書きやすくなっていきます。

PARKERで18金のペン先を選べるのはSonnetのライン以上になってくるので、PARKERの金ペンを使いたい方には第一選択肢となります。

コラム1:万年筆の金ペン

 ペン先が金でできているものを「金ペン」といいますが、金は柔らかく使っているうちに削れてくるという特性があって、書き手のクセを覚えていくような削れ方をします。

すると、段々とその書き手に合ったペン先に変わっていくので、書き手の書き癖に合った世界で唯一のペンになっていきます。

こういう風にペンを育てていく楽しみが万年筆にはあって、もの書きにとっては魔法の杖みたいなものです。

しかも金は腐食に強く、錆びにくいため、きちんと手入れすれば何十年と使えるので「万年筆」というわけですね。

PARKERの万年筆『Sonnet(ソネット)』の特徴

Sonnetは、JotterやIMのシリーズよりも重みのあるペンで、安定した筆記性能を誇ります。ペン軸はPARKERの十八番とも言える、わずかに丸みを帯びた流線型。

パーカーのアイデンティティである矢羽根型のクリップ、キャップと軸の接合部にはステンレススチールの指輪のような装飾が施されており、控え目で落ち着いた雰囲気のある万年筆です。

実際に筆記してみるとほどよい重量感がポイントになっていて、ペン軸の後方にキャップを嵌めることによってバランスの取れた筆記が可能になります。クセのないオールマイティな万年筆なので、本格的に万年筆で執筆したいひとにソネットはおすすめですね。

なお、『Sonnet(ソネット)』というモデル名は『14行詩』という意味があり、語源を辿ると『小さな歌』という意味があります。なかなか粋なネーミングですね。

コラム2:万年筆のペン先と名入れ

ちなみにPARKERのペン先には、「F(細字)」と「M(中字)」があります。

海外製のものは日本製の万年筆に比べて若干太い傾向にあるので、ペン先は迷ったら「F(細字)」を選んでおけば間違いないと思います。

僕は万年筆に自分のペンネームである『kazuma』を名入れして使っています。こうすると、シグネチャーモデルみたいになって愛着が湧く一本になります。

ただ年月を経てくるとどうしても名入れ部分が擦れて文字が潰れてしまうこともあるので、美しいボディを保ちたい方はあえて名入れをしないのも手です。

PARKER万年筆には純正インクを使おう

Parkerは純正インクが優れているので、Parker製のペンと合わせて使うと相性がよく、ペンの能力を最大限に引き出せます。

パーカーのインクは「クインクフロー」と呼ばれていて、ぬらりとした書き心地に加え、発色がよく、乾きやすいという三拍子揃ったインクです。

特にブルーブラックが王道インクで、文字の視認性も高いので、もの書きにはおすすめです。僕はこのインクを使ってから、他のインクにはほとんど浮気せずに使っています。

何年経っても変えることを考えないくらい、完成されたスムースなインクですね。他社製の万年筆に好んでパーカーのインクを入れるひともいます。

自宅用にボトルインク、外出用にカートリッジで使い分ける

PARKERの万年筆を正規店などから購入すると、大抵の場合はボトルインク用に使う「コンバーター」というものが付いてきます。

これはインク瓶からインクを吸い上げて充填する吸引器で、ペンの内部に装着することで筆記できるようになります。

インクにはインク瓶のボトルタイプとカートリッジタイプの二種があります。

ボトルタイプはコンバーターに充填するのが少々手間ではありますが、圧倒的にコストパフォーマンスがよく、インク切れをほとんど気にせずに使えるので、家に一本置いておくと何かと便利です。

カートリッジタイプは、既にインクが充填されているプラスチック製のインクリフィルで、こちらはそのままペンに挿し込むことで、すぐに筆記できるようになる優れものです。

その分、一本当たりの単価は高くなるのですが、外出時などボトルインクを持ち歩けないシーンで重宝します。

僕は自宅用にPARKERのボトルインク(ブルーブラック)を一瓶、外出用と予備にカートリッジを2箱ほど常備していて、減るたびに補充しています。

そんなに高い代物ではありませんし、どちらも揃えておくと、万年筆での筆記シーンが増えるので、両方揃えておくといいと思います。

サブの一本として秀逸、『IM(アイエム)スペシャルエディション』

メインの万年筆とは別に、もう一本サブの万年筆を持っていて、それがIMシリーズのスペシャルエディションのモデルです。

IMシリーズはエントリーモデルであるJotterの一つ上に位置づけられていて、なかでもスペシャルエディションは期間限定の柄が楽しめるモデルです。

僕が所持しているのは、「IM スペシャルエディション アストラルミッドナイトCT」で、これを外出用の一本としてノートカバーに挿して使っています。

メインの一本はもちろん前述の『Sonnet』なのですが、持ち歩くにはちょっと高価すぎるし、置き忘れてなくしてしまうのはいやなので、そういう時にサブの万年筆を一本持っていると便利なんですよね。

「アストラルミッドナイトCT」は、夜空に浮かぶ星座盤をイメージしたデザインが特徴です。色も美しいミッドナイトブルーで、一目惚れして購入しました。

もちろんIMのスペシャルエディションということで、筆記性能は折り紙付きです。

ペン先がステンレス製なので、金ペンのような柔らかにしなる書き心地ではないですが、非常に書きやすい万年筆です。

コラム3:ステンレスは書きにくい?

昔から万年筆には金ペンがいい、と言われてはいますが、僕はステンレスでもぜんぜん問題はないなと思っていて、時々、ソネットよりも書きやすく感じることもあります。

僕はけっこう筆圧が高い書き方をしていて、本来であればそういう書き方って金ペンには向いてないんですね。

でも、ステンレスペンであれば、わりとボールペン寄りの堅めの書き心地があって、はじめて万年筆を使ってみるというひとには、実はステンレスペンが向いていることもあるんじゃないかと思います。

特に筆圧が高い人はステンレスペンに適性があります。

いきなり金ペンから使いはじめるのもいいですが、これまでボールペンを使っていた方が万年筆へと移行する最初の一本として、IMのスペシャルエディションをおすすめします。

IMのスペシャルエディションはステンレスペンなので比較的安価に購入できるモデルです。どの柄を選んでも、ほぼ1万円以内に収まるかと思いますので、学生さんや新社会人の方、ちょっと試しに万年筆を使ってみたいという方にはうってつけです。

既にメインの万年筆を一本持っている方でも、サブの一本を持っておくとインクで遊べるようになるのでそういう意味でも二本持ちはありだと思います。

IMスペシャルエディションは、ついコレクションしたくなる個性的なデザイン

IMのスペシャルエディションは、他のモデルと違ってデザインが優れたものが多く、他のメーカーがちょっとまねできないようなユニークな柄の万年筆になっています。

2023年のラインナップだと、「サブマージCT」というモデルがあって、こちらは深海をイメージしたというマリンブルーの万年筆です。

IMスペシャルエディションの書き心地はムラがなく、するすると書ける印象で、こちらも優等生タイプのペンですね。ペン軸が太めになっていることから、Jotterよりも遙かに握りやすくなっているのが特徴です。

Sonnetよりも軽いので、持っていて疲れを感じにくいですし、手軽に書けるので持ち運び用やサブの一本としては最適です。

デザインも秀逸なので集めたくなるんですよね。アストラルミッドナイトは2019年頃に発売されたモデルで、実は現在では公式販売店の取り扱いがなくなっています。

こうなると手に入りにくくなってしまうので、気に入ったデザインのものがあったら買いです。コレクションとしてもいい一本だなと思います。

最近は通常シリーズにも洒落たデザインがあって、たとえばペン先から軸、キャップに至るまでモノクロームブルーで統一された『IM モノクロームブルーBLT』もおすすめです。

まとめ お気に入りの万年筆で『もの書き暮らし』をしてみよう

以上、PARKERの万年筆についてご紹介してみました。お気に入りの万年筆は見つかりましたでしょうか?

今後も『もの書き暮らし』では執筆用品などをご紹介していく予定です。当ブログで取り上げて欲しい執筆用品や筆記具などがございましたら、コメント欄かTwitterにてご連絡くださいませ。

2023/04/08 21:47

kazuma

もの書きの余談:もしあと一本、パーカーの万年筆を好きに選んでもいい、と言われたら「パーカー51」が気になるんですよね。

当時、『他の惑星から来たペン』と言われたのも頷ける気がします。何でパーカーの流線型のフォルムってあんなに綺麗なんだろう。

noteではポメラ日記のほか、週末に詩を投稿しています。六番目に詩作したものになります。友人が「青い鳥ってどんな話?」と言ったことをきっかけに作りました。

PARKERの万年筆を使って書いています。短いのでよかったら覗いてみてください。

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