書くこと

「小説の書き方を考える企画、第零回『小説の書き方を考えたい』」

新企画、「小説の書き方を考える」

こんにちは、kazumaです。今日は新しい企画を発表します。いままでkazumawords.comは、管理人kazumaのもの書き活動を雑記ブログのような形でお伝えしてきました。小説を書き始めてから十年間、初期のブログをはじめ、メールのやりとり、Twitterでの交流、KDP出版、文学学校への入校、もの書き会への参加、文通、「古書店一馬書房」の活動などを通して、様々なもの書きのひととやり取りをする機会がありました。そしてその度に思うことがあります。「小説っていったいなんだろう」「これはどういう仕組みで成り立っているものなのか」「小説を書くとはどういうことか」「そもそも僕が書いているものはこれでいいのか」……、出会う人、出会う人がみな一様に違う意見を持っていて、じゃあ「君は小説についてどう思っているの?」、と尋ねられたとき、僕はいつもうまく答えられないんです。何年も何年もやってきて、親しんでいると思っているものについて、答えられない。文章をタイプしているときにはわかっているつもりのことが、文庫本の活字を追っているときにはきっと答えられるはずだと思っていることが、口にすることができない。何年やってきても、僕は僕の小説の理論といえるものを曲がりなりにも持っていない。そのことを口惜しく感じることがあります。書いているもののジャンルや年数を問わず、小説に真摯に向かい合っているひとに、正面切って疑問を投げかけられるときほど怖いものはありません。だってその問いの答えは、教科書やら塾のテキストやらマニュアル本に書いてある答えでは決して答えられない類のものだからです。小説は本なのに、本の中にその答えは書いていないんです。正解は決まっていないにもかかわらず、回答は個々人の書き手に委ねられている。

僕は僕の小説を書くことはできます。正確には僕が小説だと思っているものを僕は書くことができます。でもそれが、他人にとって、読者にとっても同じように小説とみなせるものであるかはわかりません。僕が書いているものは読者との間に、何か避けがたい溝のようなものがある。長年書いてきてずっと引っかかっていた「それ」が何なのか、僕は知りたかったのです。そして可能であるならば、いつかその溝を埋め、僕なりに橋を架けたかった。それが言葉で正確に行えるようになったとき、はじめて作家を名乗れるようになるのではないかと思っています。

疑問符付きの文学

僕は十年書いてはいますが、小説については未だに無知です。一応、それ「らしい」ものは書けるようになってきた気はするけれど、読者に僕の言葉が届いているかと言われればまだ疑問符が付きます。僕は僕の文学が目指すところがどこに向いているのか、まだ知りません。だから、今日書きはじめたひととの違いがあるとすれば、ある程度の文章上の規則だとか、表現上の簡単な技法の使い方だとか、言ってみればあとからいくらでも習得できる経験上のものに過ぎず、小説そのものについての理解でそれほどの差があるわけでもないのです。

僕はいままで体系立てて小説について学んだり、説明できるようになったことはありません。出会う人々のなかには、切実に書けるようになることを願って、何年も何年も本を読み続けていたり、一度は文芸の道に進んだものの志半ばで筆を折らざるを得なかったひと、書くことを環境が許さなかったひと、小説を書いてみたいが書き方がわからなくてずっと思いあぐねている人、書いてはみたがものにならないと感じているひと、仕事のために書くことを諦めねばならなかったひと、ひとりのひとのためだけに小説を書いているひと、などほんとうにさまざまでした。でも、誰もに共通していたことは、小説が書けるようになりたい、ということでした。そして、僕もそのひとりであります。

小説について無知であるからこそ書ける記事があるのではないかと思い、今回、「小説の書き方について考える」企画をやってみようと思いました。もちろん一からです。

「小説の書き方」なる本については、ベストセラー作家やシナリオ作家、純文学の作家が出している本が既にいくつかありますが、あまり多いわけではありません。さらに、ネット上にはいくつもの小説指南なるテクニックやらハウツーものがあったりしますが、ほんとうに役立つと言えるものはありません。どんなに有名なプロや、玄人が書き方を教えることがあっても、それはあくまでもそのひとにとっての小説の理論に基づいているので、普遍的にこうすれば誰でも書けるようになる、というものは小説には存在しません。なにかものを書こうというひとは、最終的には自分で独自の方法を考案しなくてはならず、必ずどこかの時点で、書き手である自分以外の「誰かが言っていたこと」に背いて、獣道を歩かなければならない日が早晩やってきます。ほんとうに役に立つのは、アドバイスらしいアドバイス、具体的な指摘の範疇にあるものではなくて、まだ小説という形を取る以前の、もやもやとした、何を言ってんだかよくわからない、でもそのひとにしかおそらく言えないような小説についての話を耳にしてしまったときかもしれないと個人的には思います。でもそういう機会は滅多にお目にかかれるものではありません。そして、そういうものすらもやっぱり最後は乗り越えていかなくてはなりません。

誰とも一致しない小説が書けたら

「君は小説についてどう思っているの?」と出会うひと、出会うひとに尋ねられたのは、僕はこう思っているんだけど、君はどう思うんだろう、という別の視点から見た小説について問うているのであって、そこに何か決められた答えみたいなものがあるのではなく、一致するからよいのではなく、むしろそこで一致を見てしまったら、似せたようなものを書いてしまっているぞと警戒すべきところなのかもしれません。別にどこかで見たことがあるような小説が書きたければ、それでいいと思うのですが、どうせ書くのであれば、まだ誰も書いたことがないことを一言でもいいから書いてみたいと思うのがもの書きの常です。もし誰にも見たことのない小説の見方で小説を書くことができたとしたら、それを言葉にして伝えることができたとしたら、誰とも一致しないままで、伝わってしまうものが書けたとしたら、それができるのがほんものの作家だと思っています。

大それたことばかり書いてしまいましたが、僕が言えるのは、あくまでも僕がこうじゃないだろうか? と思う、疑問符付きの「小説の書き方」です。これから書いていくことはちっとも参考にならず、あてになりません。でもこれはきっと、ものを書く人であれば誰もがいつかは通らなけらばいけない道です。僕がおそらく伝えることのできるのは一般論で言えるおおまかな合意の取れる範疇と、極端に主観的な文章で構成された小説の作り方のみです。これから書いていくものの通りにしても、小説を書けるようにはなりません。僕も作り方を模索している真っ最中ですし、道に迷っていてちんぷんかんぷんです。だから、一緒につくってみながらちょっとずつ小説について考えてみませんか、という提案です。

2010年代の創作界隈

僕がものを書きはじめた頃、小説の書き方について参考になるようなサイトはごくわずかでした。2010年頃は、ブログなどが台頭し始めた頃でしたが、どれも断片的な情報ばかりで、出どころもわからず、誰が書いたのかもわからない怪しいアドバイスを参考にしたりして、公募サイトをこっそり覗きながら、見よう見まねで明らかに動作の重いword2010にテキストを打ち込んでいました。Twitter、ライブドアブログ、KDP出版などをはじめてからちょっとずつもの書きに関係する情報が入るようになりましたが、自分の中では言葉にしてまとめられず書きあぐねる日々でした。2022年を迎えようとするいま、手に入れようと思えば小説の書き方についての情報はネット上である程度まで集まるかと思います。でも、僕個人として納得できるようなものはなく、だったらもう作ってしまえばいいんじゃないの、と思ったのが今回の企画のきっかけです。小説を読み書きする上で役立つ個人ブログサイトとして使ってもらえることをめざして記事を書いていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

カテゴリー、「書くこと」

今回の企画から新しく「書くこと」のカテゴリーをつくりました。今後アップロードしていく、書き方にまつわる記事にはこちらのカテゴリーを設定し、kazumawords.のメインコンテンツとしていきます。「読むこと」についてのカテゴリーも随時作成予定です。「一馬の手記(文芸活動の報告など)」、「書くこと」、「読むこと」の三本柱でやっていきたいと思います。

近況。在宅ライターのこと、アンソロジーに参加した件

在宅ライターの仕事に採用が決まってから今日で三週間ほどが経ちます。一般的な雇用のひとよりも拘束時間は短めなのですが、今月は週に六日ほどの出勤があって、慣れるまでは中々きついものがありました。大らかな職場だったので、僕みたいな半人前ひよっこ新米ライターでも何とか受け入れてもらえました。ようやく日々の生活に目処が立って、リズムが生まれてきたので、ブログ記事の文章が打てるようになりました。書房も更新ができなかったのですが、ちょっとずつでも前に進みたいなと思っています。

新作の短編原稿についても書き進めていて、twitterで鈴村智久さんにお声がけをいただき、アンソロジーの企画に寄稿する形で参加することになりました。テーマは「悲壮」ということでお題をいただき、目下、水面下で制作中です。ライティングの仕事が終わってから、ノートに書き溜めていっております。来年の春頃までに初稿を完成させて原稿を鈴村さんのところに持って行けたらなと。

ライフワークである小説執筆、仕事してのライティング、趣味を追求するブログ、古書店活動の「一馬書房」がうまく歯車として回り始めてくれることを願っています。

2021.12.21.
kazuma

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