書くこと

書く研、第二回「タイトルの付け方【後編】」

前置きと前回のおさらい

どうも、kazumaです。今日は長らく更新の止まっていた小説の書き方を考える企画、第二回のタイトルの付け方【後編】をやっていこうと思います。「小説の書き方を考える企画」ってなんだか長ったらしいので、書くことの研究、略して「書く研」としてみました(タイトルを考える回なのにこのセンス)

前回の第一回では、引力のあるタイトルがいいタイトルだ、という話をしましたね。棚に本が差してあるとしたら、思わず目を引いてしまうようなタイトル。意外性が肝だという話もしました。

では、今回はそのタイトルそのものはどうやって思いつくのか、という点に絞って考えてみようと思います。

タイトルを付けるタイミング、Twitterアンケート取りました!

本題に入る前に、皆さんは小説を書くときってどのタイミングでタイトルを付けますか? 昨年十二月ごろにTwitterでアンケートを取りましたので、手前味噌ですがちょっとご紹介いたします。

創作のアンケートにご協力くださった方々、ありがとうございました。取り上げるのが遅くなってしまってすみません。今回は13名のもの書きの方にご協力いただきました。次回もありますので、Twitterで見かけたらぽちっと押してやってください。

  1. 最初に付ける
  2. 最後に付ける
  3. 仮タイトルを最初に付けて、あとで正式なタイトルを付ける
  4. 執筆中にひらめき次第

ざっくり言うとタイミングについてはこの4種類。一番票数が多かったのは3番の「仮タイトルを最初に付けてあとで正式なタイトルを付ける」が38.5%を占めています。次いで1番の「最初に付ける」が30.8%、2番の「最後に付ける」と4番の「執筆中」が同数三位で15.4%でした。

実は「仮タイトルを付けておき、あとで正式なタイトルを付ける」というのは僕のやり方で、今回のアンケートでは少しバイアスがかかっちゃったかなという感じです。大学のときに統計の授業があってアンケートを作る回があったのですが、質問者の恣意的なものが混ざらないように、設問の四択は同じ分量ぐらいの長さになってないといけないんですが、3番では具体的に書きすぎてしまった。

タイトルを付けるタイミングは、書き手が思いついたタイミングで全然構わなくて、ただ実作上、何かしらの小説を書くときって最終的には電子ファイルを作りますよね? そのときに実務上、タイトルを付けておくと何かと便利だよというだけの話なので。

タイトルを付けるタイミング、それぞれのメリット

一応、それぞれのタイミングのメリットを挙げておきます。

1番の最初を選んだ場合、のちに書く作品の内容に影響されずに、はじめに考えたり直観していたタイトルを付けることができます。これの何がいいかって、実は書き終えたあとって作家はわりとその内容を引きずりやすいので、結構ベタなタイトルを付けがちです。内容をそのまま表しちゃっている(直喩の)タイトルとかね。最初に直感したタイトルが案外いいセンをいってたりするのは、書いた内容に左右されずに付けられるから。事前に時間を掛けてタイトルを考えるというのであれば、作品を隅々までコントロールしたいタイプの作家かなと思います。

つづいて2番、最後に付けるのは、全体像を俯瞰した上で付けられるというメリットがあります。内容をすべて把握した上で付けるので、イメージはかなり引っ張られやすいですが、材料をすべて揃えた上で考えられるので、タイトルを熟考するタイプは自然とこうなるんじゃないかと思います。僕の友人に聞いてみても、最初に付けずに最後に付けると言っていて、へえーと思いました。なんで? って聞いたら、作品の全体像を見ずには付けられないでしょ、だってその材料がないんだから、って言ってました。

3番は折衷案で、仮タイトルでもいいから付けちゃおう、それで気に入らなかったら後から考えましょう、というやり方です。一番汎用性があって、バランスの取れたやり方だと思います。仮タイトルを付けておけば、ファイル名でいちいち悩むこともなくなりますし、作品のイメージもなんとなく創作する上で作者自身がつかみやすくなる。仮タイトルが気に入ったならそのまま(仮)をはずしてゴーサインを出せばいいですし、書き終わってから気に入らなければ納得のいくまで練ればいい。

4番の執筆中にひらめくっていうのは僕はあんまり聞いたことはないんですが、直感力に優れている方にとってはそれが自然なタイミングなのかもしれないねって思います。僕もそういう感じでぱっと思い浮かべられるタイプだったらよかったんですけどね。4番を選んだあなたはおめでとう、タイトルをつけるタイミングに関しては天才タイプです。

タイミングについては以上です。前置きがかなり長くなってしまいましたが本題です。タイトルをどうやって思いつくか。

僕は百均ショップへ行って、タイトルを思いついた

実は短編第五作の「私たちはさよならと言った」、タイトルを付けるまでは、全然思い浮かばなかったんです。いや、正確に言うと仮タイトルが気に入らなかったんですね。ちなみに仮タイトルの候補は「八月某日、燕は飛んで」です。僕としては最初、そんなに悪くないんじゃないかなって思ってたんですが、友人にそのタイトルを伝えると、あー、と言い始めて。何が「あー」なんだと聞くと、それってヨルシカの曲に出てくるでしょ、と言われ、それに引っ張られている、と言われてしまいまして。確かにあるんですよね、ヨルシカの歌詞に。「八月、某、月明かり」……。

それで付け直すことになったんですが、全然思い浮かばなくて。一週間ぐらい唸ってましたかね。で、結局僕は席を立って、百均ショップに行くことにしたんです。なんで百均なんだよ、と思われるかもしれませんが、僕はその時、高校生以来に英語の単語帳カードを買ったんです。あのリングが付いていて単語を書き込んでめくっていくやつです。ちょっと大きめのサイズ(たぶん社会とか歴史の暗記用に使うんだろうな)をレジに持って行きました。

それで家に帰ってくるなり、そいつを取り出して、五十枚くらいばさっと紙の束をリングから外しました。で、思いつく限りのワードを書いていったんです。その第五作に関わるキーワードを。ある程度、枚数が溜まったら、それをすべて机の上に広げて、直感で何枚か引いて組み合わせていきました。

単語カードのタイトル歌留多

昔、「文作り」ってゲーム、ありませんでしたか? あのゲームは無作為に作られた文章の面白さを競うものですが、あれを少し恣意的に、作品のイメージに近づけるようにして単語を選んでいくんです。カードを揃えていくのは、かるたをやっているみたいで楽しかったですよ。何十組と組み合わせができて、タイトル候補がいくつも見つかりました。気分で紙の位置をシャッフルしたりなんかしてね。

それで、出来上がるたびに友人に見てもらいました。前述したように書き終えて一週間程度しか経っていなかったものですから、友人には内容に引っ張られすぎている、最初に付けたような感じのものを選べ、と言われて、結局二人とも納得したのが、この「私たちはさよならと言った」でした。ちなみに単語カードの「私たち」と「は」と「さよなら」と「と」「言った」という5枚のカードを組み合わせています。

まとめ、もの書きのタイトルの付け方は

いかがでしたでしょうか。タイトルの思いつき方って作者それぞれが持っていて、独自の付け方があると思うのです。僕は思いつかなくなったときにこの単語帳カードを使ったやり方をやってみました。思い浮かばなかったからこそ出てきた方法でした。

ちなみにこのやり方の場合は、品詞ごとにカードを作成して順に列を作って並べていくのがおすすめです。僕は「名詞」「接続詞」「動詞」「形容詞」の列を作って考えました。無作為さにこだわりたい方は、シャッフルしてみるのもおすすめですね。

自分が頭で思いつかなかったものを、手につかんでみることで見つけられるかもしれません。頭に浮かぶものだけでは見つからない、実際にこの目で見るかどうかが作品を想像する上で大事なんだ、という主旨のことを庵野監督も言ってました(NHKの「シン・エヴァ」の密着ドキュメンタリー、よかったですよね。模型の街を見に行くところで仰っていました)

ぜひ、独自のタイトルの思いつき方を知っていましたら、コメント欄に書いていってください。では、今日はこれで。

kazuma

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